大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和59(さ)3 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人は無罪。

理 由

検事総長江幡修三の非常上告申立について

記録によれば、岐阜簡易裁判所は、昭和五九年二月九日、「被告人は、昭和五九

年一月一七日午後三時四五分ころ、第一種原動機付自転車を運転して、岐阜県公安

委員会が道路標識により直進を禁止した場所である岐阜県各務原市a町字bc番地

付近道路において、東方から西方へ直進した」との事実を認定し、これに対し、道

路交通法八条一項、四条一項、一一九条一項一号の二、同法施行令一条の二、刑法

一八条、罰金等臨時措置法二条、刑訴法三四八条を適用して、「被告人を罰金五〇

〇〇円に処する。これを完納することができないときは金二〇〇〇円を一日に換算

(端数金額があるときはこれを一日に換算)した期間被告人を労役場に留置する。

第一項の金額を仮に納付することを命ずる」との略式命令を発し、即日その謄本を

被告人に送達したこと及び右略式命令は法定の期間内に正式裁判の請求がされなか

つたので同月二四日確定したことが認められる。

しかしながら、右略式命令認定の日時の当時施行されていた昭和四一年九月一六

日岐阜県公安委員会告示第五九号の定めるところによると、右略式命令認定の日時

場所においては、直進規制の対象は東進又は西進して直進する自動車のみであつて、

原動機付自転車の直進は禁止されていなかつたのであるから、右略式命令認定事実

は罪とならなかつたものといわなければならない。

してみれば、原略式命令は法令に違反し、かつ、被告人のため不利益であること

が明白である。

よつて、刑訴法四五八条一号、三三六条前段により、裁判官全員一致の意見で、

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主文のとおり判決する。

検察官栗田啓二公判出席

昭和五九年一二月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 和 田 誠 一

裁判官 谷 口 正 孝

裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 矢 口 洪 一

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